BAD & BAD【Ⅱ】
鼻息の荒い私に若干唖然としながらも、「えーと」とついさっきの会話を思い返す。
「『昔はお前の方がしっかりしてたっつーのに、どうしてこうもアホになっちまったのかな』だっけ?」
「そう、それ!」
一語一句、同じ!さすが、たかやん。記憶力いいね。
やっぱり聞き間違いじゃなかった。
弘也が、たかやんよりしっかりしてた?んなバカな。
「本当なの?」
「ああ」
「本当なの!?」
「そうだっつってんだろうが!」
嘘だろ、おい。そんなことってあるの?あの弘也が、しっかり者?
よし、状況整理のために想像してみよう。
……ダメだ、できない。チャラチャラしてるところしか浮かばなかった。
弘也の方を見たら、得意げにダブルピースをしていた。
「うん、やっぱ嘘か。だよね」
「どこでそう判断したの!?本当だってばー!」
疑念が消えなくて、今度はたかやんと剛の方をチラ見したら、黙って頷かれた。