BAD & BAD【Ⅱ】
本当の本当に、そうなんだ……。
なんだか、鈍器を持ってるのにパンチとキックでこてんぱんに殺られて、そのまま逃げられたような、非常に不愉快な気分だ。
しっかり者の弘也はどこに行っちゃったの?
「僕がそれなりに真面目で、鷹也がムードメーカーというかお調子者みたいな感じだったよねぇ」
「昔は今と性格が逆だったな」
「えええええ!?」
抑えきれなくて、思わず叫んでしまった。
誰だってこんな冗談みたいな話を聞いたら、叫ばずにはいられないだろ。
叫ばずにいられる人がいたら出てこい。その秘訣を教えてくれ。
「たかやん、昔はチャラかったの!?」
「チャラくはねぇよ」
あ、チャラくはないんだ。少しホッとした。
……けど、性格が逆?たかやんがお調子者?ツッコミ役じゃなくてボケ役だったってこと?
驚愕だ。信じられない。
ほっぺをつねってみるが、痛い。やはり現実らしい。