BAD & BAD【Ⅱ】
だったら、ケーキ100個のがいいよ。
プレゼントしてくれたら、食レポ付きで美味しくいただいてあげる。
「あのさ」
「ん?」
「ちなみに、今日はどうだった?」
唐突に話題を変更しても、順応性に優れている弘也は動じなかった。
何が、と言わずともわかるでしょ?
弘也は妖しくニッと笑って、右手でブイサインを作った。
「今朝昇降口で遭遇したんだけど、全く気づかれなかった」
「おー、すごいね」
最終日まで見抜かれないとは、大宮ツインズの演技力も唄子ちゃんと同じくらい高いな。
もしくは、唄子ちゃんの観察眼が鈍っているか、のどちらかだ。
後者だったら滑稽だな。
「で、そん時に伝えといた」
「何を?」
「昼休みに屋上に来いって、弘也があいつにね」