BAD & BAD【Ⅱ】




たかやんの手が、ふんわりなびいている艶やかな金髪に触れる。



「僕の特別は、お前だけだって」



髪に口づけ、甘く囁く。



この告白シーンが弘也プロデュースだと知ってるからか、鳥肌が止まらない。


それを差し引いても、いい雰囲気だね。



だが、しかし、言わせてもらおう。

ここでも名前を呼ばないんかーい!



お前呼びでも胸キュンするけどさ、こんなところさえ呼び捨てにしない頑固なスタンス、嫌いじゃないよ。




「あたし、わかってたよ。いつか必ず、あたしの元に戻ってきてくれるって」



唄子ちゃんは照れずに、穏やかに微笑んだ。


そういえば、前にそう言ってたっけ。一瞬だけでも願いが叶ってよかったね。



唄子ちゃんの頬を包み込んだ、たかやんの手のひら。



「ひろちゃん……」



ゆっくりと、唄子ちゃんの瞼が下ろされる。


2人の唇が、近づいていった。



< 490 / 730 >

この作品をシェア

pagetop