BAD & BAD【Ⅱ】
たかやんの手が、ふんわりなびいている艶やかな金髪に触れる。
「僕の特別は、お前だけだって」
髪に口づけ、甘く囁く。
この告白シーンが弘也プロデュースだと知ってるからか、鳥肌が止まらない。
それを差し引いても、いい雰囲気だね。
だが、しかし、言わせてもらおう。
ここでも名前を呼ばないんかーい!
お前呼びでも胸キュンするけどさ、こんなところさえ呼び捨てにしない頑固なスタンス、嫌いじゃないよ。
「あたし、わかってたよ。いつか必ず、あたしの元に戻ってきてくれるって」
唄子ちゃんは照れずに、穏やかに微笑んだ。
そういえば、前にそう言ってたっけ。一瞬だけでも願いが叶ってよかったね。
唄子ちゃんの頬を包み込んだ、たかやんの手のひら。
「ひろちゃん……」
ゆっくりと、唄子ちゃんの瞼が下ろされる。
2人の唇が、近づいていった。