BAD & BAD【Ⅱ】
顔を下に向けて俯いている唄子ちゃんを、覗き込む。
どうしちゃったの?大丈夫?
「……っ」
「あらま」
唄子ちゃん、顔真っ赤だ。
恋する乙女の顔だ。
剛に撫でられて、ドキドキしちゃったのかな。
ある意味、剛は有罪だね。
弘也の次は剛かぁ。うーん、おすすめはしたくないけど、恋に理屈は通じない。
まだ恋には幼い、けれど恋に限りなく近い、ちっぽけな想い。
これからどう育っていくのか、楽しみだ。
「なあ、作戦は終わったんだし、昼飯食べようぜ~」
「そうだな」
「あー、腹減った」
弘也の意見にたかやんと剛が賛同して、3人が屋上から出ていこうと歩き出す。