BAD & BAD【Ⅱ】
あ、待ってよ。私を置いてかないで!
「あ、あたしも一緒に……!」
「お前はダーメ」
弘也が食い気味に反対したせいで、唄子ちゃんはしょんぼりしてしまう。
「唄子ちゃん、ごめんね」
「いえ……」
「代わりと言っちゃあなんだけど、来週2人でお昼食べない?」
「は、はい!喜んで!」
やばい、可愛いすぎる。何この子、天使だけじゃなくて妖精さんでもあったのかよ。
後輩に懐かれるこの幸福感、たまらないね。
唄子ちゃんグッズを販売して、全国にこの可愛さを布教したい。
「あ、それと」
「?」
唄子ちゃんの耳に、唇を近づける。
「私、応援するよ。今度こそ、本当の意味で、好きな人と結ばれるといいね」
そう囁くと、唄子ちゃんは耳まで真っ赤になった。
その反応があまりにもピュアで、ふわりと微笑みがこぼれた。