BAD & BAD【Ⅱ】

夕暮れリフレイン







放課後になって、私のクラスに朔が来訪した。




今日の朔の登場の仕方は、こうだ。



まず、目立つようにバーン!!と勢いよく扉を開ける。


次に、扉に肩をトンと寄せて、ややもたれかかる。この時点で女子達はきゃっきゃ騒いでいて、朔はまんざらでもない顔をしてる。


最後に、自分にとって1番いいアングルで、高飛車な態度で言う。



「幸珀、帰るぞ」



合計得点、マイナス5億点。

理由、キメ顔が目に毒だから。



「朔、かっけぇー」


「あはは、弘也……じゃなかった、たかやんは面白いこと言うなあ」


「面白い?どこが?」



学校を出るまでは入れ替わりを継続させている弘也の背中をバシバシ叩きながら、愛想笑いする。


目ぇ腐ってんじゃない?眼科行ってきたら?




「逆に聞くけど、今のどこがかっこいいの?センスを疑うね」


「おい、聞こえてんぞ」


「うん、知ってる」


「わざとかよ!」




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