BAD & BAD【Ⅱ】
さて、私も帰りますか。
「お待たせ」
「待ちくたびれたぜ」
「あっそ」
「それだけ!?」
朔は何にもわかってない。ここは「全然待ってねぇよ」って言うところなの!少女漫画読んで勉強しろ。
朔の登場の仕方が派手すぎたせいで、無駄に注目されながら教室を出て、下駄箱で靴を履き替えた。
校舎を出て、茜色に染まる帰り道をたどる。
「そういえば、昼休み私達が空き教室に行くまで、朔は何をしてたの?」
「……」
「朔?」
「別に、スマホいじってただけだけど?」
これはもしかして、昨日に引き続き、今日もいじけちゃってるパターン?
今日は屋上に行く前に朔を昼食に誘って、空き教室で待っててもらってたし、さっきもいつも通りムカつく態度だったから、大丈夫だと思ったんだけどなぁ。
「今日はなんで拗ねてんの?」
「拗ねてねぇし」
「拗ねてんじゃん」
そこごまかさなくていいよ。全身全霊で拗ねてるからモロバレだよ。