BAD & BAD【Ⅱ】
スタスタ先を歩く私のあとを、朔がガミガミボヤきながらついていく。
ウザさを放出してないで、ちゃんとボディーガードしてよね。
「……そうだ、幸珀に言っとこうと思ってたことがあったんだった」
そう呟いて、私の隣に並んだ。
私に言うこと?
ハッ!さては、昼食の時に朔のデザートを奪ったことを責め立てるつもりじゃないでしょうね!?
「気をつけろよ」
「え……?」
身構えていた身体の力が、抜けていく。
朔の表情がやけに険しくて、心臓が圧縮されていった。
「最近の兄貴、いつも以上に怪しいんだ」
「どんな風に?」
「ニタニタ笑いながら、お前の名前を連呼してる」
「それは怪しすぎるね」
怖くて不気味だわ。
変質者として、警察に通報して差し出したい。