BAD & BAD【Ⅱ】





「もしかしたら、何か仕掛けてくるかもしんねぇ」


「じゃあ、さらにボディーガードさんに頑張ってもらわないとね」


「俺にだけ任せる気かよ」


「んなわけないじゃん」


「はっきり言われるとそれはそれで腹立つな……」




あんただけじゃ頼りないっての。


もちろん、私も警戒心強めるよ。ついでにもしもの時のために、筋トレもしておこう。私って用意周到だなぁ。さすが。





無事に朔に家まで送り届けてもらって、一度帰宅した。


私は男装をして、本日の夕飯のメニューであるビーフシチューにつられながらも、家を出てたまり場に向かった。




賑やかに栄えている繁華街を通り、数回された逆ナンを紳士に断って、繁華街を抜けた。



洋館に着いて重厚な扉を開けると、ほのかにアップルティーの匂いのするホールには、師匠と凛と桃太郎とたかやんと弘也と剛と真修がいた。



「何してんの?」



声をかけたら、凛以外の全員が振り返った。


凛は階段に座って、相も変わらず夢の中。



< 515 / 730 >

この作品をシェア

pagetop