BAD & BAD【Ⅱ】
「もしかしたら、何か仕掛けてくるかもしんねぇ」
「じゃあ、さらにボディーガードさんに頑張ってもらわないとね」
「俺にだけ任せる気かよ」
「んなわけないじゃん」
「はっきり言われるとそれはそれで腹立つな……」
あんただけじゃ頼りないっての。
もちろん、私も警戒心強めるよ。ついでにもしもの時のために、筋トレもしておこう。私って用意周到だなぁ。さすが。
無事に朔に家まで送り届けてもらって、一度帰宅した。
私は男装をして、本日の夕飯のメニューであるビーフシチューにつられながらも、家を出てたまり場に向かった。
賑やかに栄えている繁華街を通り、数回された逆ナンを紳士に断って、繁華街を抜けた。
洋館に着いて重厚な扉を開けると、ほのかにアップルティーの匂いのするホールには、師匠と凛と桃太郎とたかやんと弘也と剛と真修がいた。
「何してんの?」
声をかけたら、凛以外の全員が振り返った。
凛は階段に座って、相も変わらず夢の中。