BAD & BAD【Ⅱ】
少年Sとジャンキー
夕日が、沈んでいく。
不良が盛んになる、夜が更けていく。
俺は黒龍のたまり場の幹部室で、不吉な予感ばかりを巡らせていた。
幹部室には、今俺1人だけで。
なおさら考え事にのめり込んでいった。
胸騒ぎがする。
一昨日あたりから、ずっと。
今日のは一段とひどい。
「あー!モヤモヤするー!!」
幹部室にあるソファに、ごろんと横になる。
叫んだって、モヤモヤは少しも晴れてはくれない。
こんなに気になるくらいなら、いっそのこと1日中幸珀のそばにくっついていた方がいいんじゃねぇのか?
多分、そっちの方がまだ冷然としていられる。
思い立ったが吉日だ。
これから、神雷の洋館に行ってくっか。
気合いを入れて上半身を起こした、その時。
――プルルルル。
1本の電話が、かかってきた。