BAD & BAD【Ⅱ】
助ける?瞬殺?
不安が、積もっていく。
『動けなくて、あとを尾けることすらできなくて……』
「待て待て。とりあえず落ち着け」
銀にだけじゃなく、俺自身にも告げた。
落ち着かなくては、事態の全貌が見えてこない。
銀は返事をして、深く呼吸をした。
「落ち着いたか?」
『は、はい』
「よし。じゃあ、できるだけ簡潔に話してくれ」
一瞬の間を置いた後、銀が話し出した。
『さっき、俺達黒龍のたまり場の近くで、総長の幼なじみ2人を見かけたんす』
幸珀と真修が、近くまで来てる?
パトロールか何かか?
神雷がこちら側をパトロールするのは、珍しいな。気分転換か?