BAD & BAD【Ⅱ】
銀が今いる場所と銀の容態を聞いてから、電話を切った。
怒りで、どうにかなってしまいそうだ。
うまく動かない指で、スマホを操作する。
一応幸珀に電話をかけてみたが、やはり通じなかった。
真修も、同じ。コール音が途切れることはなかった。
「本当はかけたくねぇけど……」
仕方ねぇ。
最後に、兄貴に電話をかけてみた。
――プルルル……ブツ。
ワンコール目で切りやがった!!
「くっそ……!」
腸が煮えくり返りそうだ。
3人とも電話に出ない。
それほどやべぇ状況なのか?
もしかしたら、幸珀と真修のどちらかが神雷のたまり場に戻ってるかもしれない。
そんな淡い期待を抱いて、幹部室を飛び出した。
戻ってなくても、神雷に協力を頼もう。悔しいが、俺1人じゃ到底太刀打ちできねぇ。