BAD & BAD【Ⅱ】
「ど、どうだっていい!?」
「ああ」
「何それー!いきなり来て、そんな言い草して、ちょっとひどくなーい!?」
ショックを受けているのが明々白々だが、それも気にしていられない。
一刻を争うんだ。
「ん……うっせぇな」
「凛さん、お目覚めですか!」
「はよ」
階段に腰掛けて寝ていた凛に、桃太郎が駆け寄る。
素早くホールを見渡してみたが、ここにいるのは弘也と鷹也と剛と京と凛と桃太郎だけで、幸珀と真修の姿はなかった。
「弘也の前髪に関しては、確かにどうでもいいが」
「鷹也まで!?」
「いきなり来たと思ったら怒鳴って……どうしたんだ?お前らしくもない」
「幸珀と真修、戻ってきてねぇか!?」
うろたえながら、食い気味に尋ねる。
「戻ってきてねぇけど」
「やっぱ、戻ってねぇか……」
「2人に何か用か?」