BAD & BAD【Ⅱ】
銀の情報によると、近くにバイクはなかったらしい。
つまり、兄貴が幸珀と真修を連れて行くとしたら、徒歩で行けて、幸珀を閉じ込められる場所。
探す範囲が絞られるのは、不幸中の幸いだ。
そして、神雷と黒龍の下っ端にも協力を仰ぎ、
俺と京と凛、鷹也と弘也と剛、神雷の下っ端達、黒龍の下っ端達の4チームに分かれて、手分けして探すことになった。
幸珀と真修が戻ってきた時のために、桃太郎には洋館に残っていてもらうことにした。状況の確認をする各所への連絡も、桃太郎にやってもらう。
先程、もう一度兄貴に電話をしてみたが、またすぐに切られてしまった。
「……あんのやろう」
切ってんじゃねぇよ。
ちゃんと電話に出やがれ!
俺の知る限りの情報を共有してから、洋館を出た。
移動手段は、もちろんバイク。
早速、暗闇が似合う南方面へ向かう。