BAD & BAD【Ⅱ】
鍵付きブラックアウト
あぁ、痛い。
どこがかわからないけれど、痛いんだ。
ズキズキ、ズキズキ。
たくさんの刺が、突き刺さってる感じ。
恐れや不快感や錯綜や苦さが混ざり合って、濁って、私を惑わせる。
なんとかしなきゃ。
そう思うのに、深い深い意識の底に溺れていく。
睡眠薬のせいなのだろうか。
……いくらなんでもタイムリーすぎるよなあ。
ついこの間、洋館の調理室で発見した睡眠薬の箱って、真修の物だったのかな。
他にも解明したいことがあるけど、瞼が重たすぎて目を開けられない。
私が気を失う前に、善兄が『前みたいにはいかないか』とボヤいていたのを、想起した。
瞬間、瞼の裏に映った、過去の記憶。
パズルのピースを全部埋めるように、残骸をつなぎ合わせるように、明瞭に流れて、蘇る。
謎めいた痛みを、引き裂くために。