BAD & BAD【Ⅱ】
中学2年、春。
ある日の放課後。
部活にも委員会にも入っていなかった私は、1人でのんびりと帰路を歩いていた。
今日の夕飯は何かな。ステーキだったらいいな。
『あれ?』
帰り道の途中、近所の公園に見知った人物を見かけた。
あれは……善兄?
ブランコに乗って、何やってるんだろう。1人で遊んでるってわけじゃなさそう。
その時はまだ善兄の本性は発覚しておらず、私は無邪気に善兄を慕っていたので、敬遠するどころか自分から善兄に駆け寄った。
『善兄!』
『……あ、幸珀』
声をかけると、善兄は顔を上げた。