BAD & BAD【Ⅱ】
その秘密のせいで、善兄は悲しんでいたの?
一体どんな秘密なんだろう。
気になっていても、善兄はためらって口ごもってばかりで、なかなか続きは紡がれない。
打ち明けることが、怖いの?
秘密の重さは、痛いくらい知ってる。
だからこそ。
『ねぇ、善兄は知ってる?この街には「NINA」っていう小さな化け物がいる、っていう噂』
『う、うん』
『それ、私なんだ』
『……え?NINAが、幸珀?』
『うん。いろいろ事情があって、いっぱい人を傷つけて、呪った。これが、私の秘密。善兄の秘密は何?』
私が先に、秘密を教えてあげる。
善兄にだけ暴露させたら悪いし。
これで少しは怖くないでしょ?
今度は善兄の番だよ。
『どんな秘密か、知りたい?』
『うん』
善兄はクスッと笑って、私の頭をくしゃくしゃ撫でた。
よかった、いつもの善兄だ。