BAD & BAD【Ⅱ】
頭上に「?」を浮かべている善兄をよそに、ニッと笑って勝手に話を進める。
『恥ずかしいかもだけど、時間が経つほどさらに戻りにくくなるんだから、わがまま言ってないで早く家に帰ろうよ』
なんなら、私が一緒についていってあげるしさ。
特別サービスで、手も繋いであげちゃう!
『ねっ、帰ろ?』
立ち上がろうとした私の肩を、善兄が下に押して、再び座らせた。
なっ……!?
これだけ説得しても帰る気にならないのか、お前は!!
どんだけ恥ずかしがってんだよ!
『ちょっと善兄、いい加減に……』
『帰らせないよ』
『……し、ろ』
待て待て待て。
なんで顔を近づけてんの!?
さすがに近すぎ。離れてよ!
私が可愛いからって、変な気を起こさないで!