BAD & BAD【Ⅱ】
コンクリートを歩く、空っぽな足音でぼんやり目を覚ました。
目だけを動かしたら、見覚えのある景色が広がっていた。
ここ、家の近くだ。
……痛っ。まだ、頭が、ズキズキする。
『あれ?』
『……ん?幸珀起きたか』
なんで私、朔におんぶされてるの?
確か、朔に会えて号泣しちゃって、それで……そうだ、気を失っちゃたんだ。
なるほど。だから朔が私を背負ってくれてるのか。
『朔、ありがと』
『どういたしまして』
ぶっきらぼうに返されて、笑みが漏れる。
『もうすぐ家に着くぞ』
『うん』
『お前ん家、今すっげぇぞ』
『あはは、だろうね』