BAD & BAD【Ⅱ】




そしたら、時間や環境だけじゃなく、心までも窮屈になってしまう。


いろんな意味で束縛されるのは、嫌なんだ。




私、もっと強くなるから。


犯人を自分で捕まえられるくらい、強くなるから。



だから、お願い。


もう、私の全てを縛らないで。

私の自由に、干渉してこないで。




『本当に、それでいいの?』



大きく頷いたら、お母さんは『わかったわ』と渋々納得してくれた。


わがままを聞いてくれてありがとう。



不意に、手を握る力を強められ、朔の方に振り向く。



『大丈夫だ。俺が、守ってやる』



何から、とは言わなかった朔に、私は何も聞かなかった。



えらそうに。私より弱いくせに。


そう思いながらも、頼りにしてる自分がいた。




あのね、実はね。


あんまり遊ばなくなって会わなくなっていたのに、心細くなっていた私を見つけて安心させてくれた朔が、お姫様を守る騎士に見えたんだ。



……なんて、照れくさくて朔には言えないな。




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