BAD & BAD【Ⅱ】
自分がどれほど家族に愛されていたのか、改めて知った。
ごめん、ごめんね。
愛情表現を全く別の形に変えるのは、きっととても苦しく、難しいことだ。
お父さんはどんな想いで、決断してくれたのだろう。
『そんなの心配だわ。あの子は傷ついたばかりなのよ?』
『もう中学2年生になったんだ。甘やかされる年じゃない』
両の手を組んで、『それに』と低く続ける。
『幸珀は、強い。安全の確保より自由を選ぶくらいな』
『で、でも……』
『心配するのもわかるが、親として幸珀を見守ってやろうじゃないか』
お父さんに説得され、お母さんはため息まじりに了承した。
私は部屋に戻りながら、こみ上げてきた涙が流れる前に袖で拭った。
そうして、門限などの家族内規則が撤回された。
過保護だった両親は、放任主義になった。
私の気持ちを第一に考え、私の強さを認めてくれた結果だ。
新しい日常を、変化した感情や在り方を掲げながら、私なりに幸せな1日になるように過ごす。
あんな辛い思いを、二度と味わいたくないから。