BAD & BAD【Ⅱ】
「ここはどこ?」
「南にある廃校の体育館だよ」
前回の時もそうだったけど、そういう情報は律儀に教えてくれるんだよね。
相変わらず、廃校なだけあって体育館もボロいな。そんで、またしても私の周りだけ綺麗。わざわざ掃除するとは、真面目だな。
私と善兄のいるこの場所は、ステージの中央か。
今回は、手首の拘束が大掛かりだね。牢屋に閉じ込められてる気分だ。吐き気がする。
鎖が上にあって見えにくいせいで、ここにあった物なのか、新しく買った物なのか、判断しにくい。
前回ので学習したんだね、善兄。
体育館をよく見渡すと、1番奥の方にある、しっかり閉ざされた扉の前には真修が立っていた。
他の扉から誰か来ても、そこは善兄のテリトリー内。善兄だけでなんとかできてしまう。
っていうことは、真修は念のための警備役か?
……ここまで推測できるくらいは、冷静でいられている。
束縛嫌いも少しずつ直っていってるのかもしれない。
前回より恐怖を感じていないのは、間違いない。