BAD & BAD【Ⅱ】
裸足ラビリンス
離れろ!離れろ!
体をブンブン振って暴れても、これっぽっちも効かない。
腕で殴ることも、足で蹴ることも、できない。
真修は助けてくれないだろうし。
残るは……。
嫌だけど、超絶嫌だけど、やるしかない。
口を大きく開けて、善兄の首にかぶりついた。
「いっ、」
善兄は痛がって、反射的に私から離れる。
やった!離れてくれた。成功だ!
首の噛み跡に触れながら、善兄の頬が赤らんだ。
「今日の幸珀は情熱的だね」
「はあ!?」
なんで喜んでんの!?
そういう意味で噛み付いたんじゃないからね!?誤解すんな!
ヤンデレ恋愛主義者、怖いわー。引くわー。ドン引きだわー。