BAD & BAD【Ⅱ】




善兄の変態さは、ひとまず置いておこう。気にしてたらキリがない。




できれば、口をガムテープで塞いで喋らないでほしいけど、そうもいかない。


聞かなければいけないことがある。



「3年経った今、どうしてまたこんなことをしでかしたの?」



震えをうやむやにしようと、拳を作った。


グッ、と爪が食い込むくらい、強く強く握る。




「幸珀、16歳になったでしょ?」



はい、去年の10月27日に16歳になりましたよ?もうすぐ、花のセブンティーンになりますよ?それが何か?


遅すぎるお祝いをしに来たの?なら、プレゼントだけ置いて、今すぐお帰りください。



「待ってたんだよ、幸珀が法律上結婚できるようになるのを」




「は?」


ケッコン?

何その、ぶっ飛んだ発想。




「そ、それが理由?」


「そうだよ。教育実習を口実に、幸珀に会いに来たって言ったでしょ?」



確かに言ってたけど!


結婚するためだとは、普通思わないよ。てか、あんたと結婚しないし。



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