BAD & BAD【Ⅱ】
真修の涙には、辛く苦しい後悔が詰まっていた。
後悔を流して、流して、流して。
泣き止んだ時に、真修をがんじがらめにしていた自責と葛藤が、綺麗さっぱり溶けていればいいな。
大丈夫だよ、真修。
そう伝えるように、また涙をこぼした。
私も泣いて、真修も泣いてる。
監禁されてるっていうのに、なんてへんてこな状況なんだろう。
「なんで2人して泣いてるんだろうね」
「俺は泣いてないよ。これは汗だよ、汗」
「それさっき私が言ったやつ!」
お互いに顔を見合わせて、フッと失笑した。
何やってるんだろうね。
シリアスだった空気が台無しだ。なんだか、私達らしい。
真修のスッキリした顔を見て、嬉しさで満ちていった。
よかった、いつもの真修だ。
今から、真修は変わる。
優しさをそのままに、弱さを脱ぎ捨てて、きっともっといい男になる。
「幸珀、ありがとう」
それは、真修の心がちょっとだけ強くなった瞬間だった。