BAD & BAD【Ⅱ】
神雷のリーダーに任じられた真修が、自分の強さをわかっていないはずがない。
それでも、真修は震える拳を突き出した。
己の覚悟を、掲げて。
しかし、容易に拳をかわされ、距離を詰められた。
目も止まらぬ速さに、真修は驚くほかできない。
「ここ、がら空きだよ」
「グハッ……!」
真修のみぞおちに、重い一発が入る。
「真修!」
私の叫びは無意味でしかなくて、殴られてよろめく真修を助けたくても助けられない。
私は何をやってるの?
鎖を解かれるのを待って、じっとしてるだけ?
もっと足掻いて、必死になれよ自分!!
できないとあきらめてるなんて、私らしくない。
できることがないなら、できるようにすればいい。
私も、本気になれ!