BAD & BAD【Ⅱ】
端麗なジョーカー
貴重な長期休みのほとんどを、神雷【ジンライ】の不良どもと過ごしていたせいだろうか。
まだ耳の奥に、あいつらの騒がしさが残っている。
夏休み後半は、夏休みの宿題に追われてあまり羽を伸ばして遊べなかったけれど、それなりに楽しい思い出はできた。
いろいろあった(説明するのが面倒なので省略)1学期。
喧嘩とイタズラと遊びに明け暮れた夏休み。
そして、今日から始まる期待でいっぱいの2学期。
夏休みよ、もっと続け!!
と本気で懇願したいが、小泉【コイズミ】パパに怒られそうなのでやめておこう。
長いようで短かった夏休みがとうとう終わってしまった、残暑が堂々と居座り続ける新学期初日。
私はもちろん、夏休み明け初の登校日であろうと、当たり前のように寝坊した。
「幸珀【コハク】、起きなさい!!」
「は、は、はいっ!」
目覚まし時計の音とお母さんの怒鳴り声が重なって、鼓膜を突き破りかけた。
びっくりしながら飛び起きた私に、お母さんは重いため息をつく。
「初日くらい、真面目に登校しなさい!」
「えー、でもー」
「でもじゃない!遅刻したりサボったりしたら、1ヶ月甘い物食べるの禁止だからね」
「今すぐ行きます」