BAD & BAD【Ⅱ】





「おりゃあああっ」


「どこ狙ってんの?こっちだよ、こっち」



私は瞬時に、殴りかかってきたBくんの背後に回り、イタズラ半分に膝カックンしてやった。



意表を突かれたBくんの体勢は、否応なしに崩れる。


隙だらけになったところを狙って、Bくんの右肩にかかとを打ち下ろした。



Bくんは声にならない呻き声を吐きながら、地面に倒れた。



「どうだ、参ったか」



渾身のかかと落としが、うまくきまった。

一発KO。


これで懲りたら、もうくだらないことやっちゃダメだよ?わかった?




さてと。

桃太郎の方はどうなったかな。


服を直しながら、桃太郎と逆ギレ男の喧嘩に目を向けた。



今度は桃太郎が、逆上して迫っていった逆ギレ男の胸ぐらを掴んで、逆ギレ男の顔を勢いよく殴っていた。


あのパンチ、相当効いただろうね。



逆ギレ男に息をつく暇も与えずに、桃太郎の拳はまたしても逆ギレ男のみぞおちに食い込まれた。



「痛ぇか?痛ぇだろ?」



逆ギレ男の胸ぐらから手を放すことなく、睨み続ける。



< 87 / 730 >

この作品をシェア

pagetop