BAD & BAD【Ⅱ】
殺伐とした空気が、影をえぐっていた。
「誰かに傷つけられたら、すんげぇ痛ぇんだよ!そんな当たり前のことくらい覚えとけ!!」
そう荒々しく怒鳴りつけると、逆ギレ男を乱暴に放した。
桃太郎、かっこいいじゃん。
逆ギレ男はやり返そうとはせず、
桃太郎の熱い喝を聞いて反抗する意欲を削がれたのか、起き上がったBくんと共に、舌打ちを残してこの場から去っていった。
「桃太郎にしては、なかなかいい教育的叱責だったんじゃない?」
「だろ?」
「だけど、もっと確実に矯正しときたくない?」
「……その怖い顔は、何かあるな」
「怖い言うな。せめてひらめいてる顔って言え」
察しの通り、さっきの不良2人の、悪人更生計画の根本的な解決として、いい策があるんだ。
策の重要な証拠を、桃太郎に見せる。
「じゃーん!」
「生徒手帳?」
「ピンポーン!!」
「いつの間に……」