BAD & BAD【Ⅱ】
寝ぼけ眼が、一気にパッチリ冴える。
お母さん、ひどい。
大好きなスイーツを人質に取るなんて、卑怯だ!
……はぁ、仕方ない。行ってやろう。
時間との勝負だ。
こうなったら、私の本気を見せてやる。
急いで支度をして、学校に行く準備を進めた。
見よ、この早技を!
制服を着ながら、朝ごはんを食べながら、髪を整えながら、靴を履いてる。
すごくない?え、ちょ、ほんとにすごくない?これ全部同時進行だよ?
起きてから5分も経ってないのに、支度済んじゃうよ?
今日だけは、朝ごはんがパンだったことに感謝だ。でも、明日からはぜひ和食でお願いします。
パンを食べ終えてごっくんと飲み込み、つま先を地面にトントンと軽く当てる。
「行ってきまーす!」
「はい、行ってらっしゃい」
時間との勝負に圧倒的に勝利した私は、余裕を持って学校へ向かった。