BAD & BAD【Ⅱ】
さっき喧嘩したあたりくらいから、桃太郎は優秀になったね。
いつもこうならいいのに。
「私達の手間が省けて、しかも勝手に計画が順調に進んでくれる。一石二鳥でしょ?」
「お前、よくそんなこと思いつくよな」
「桃太郎とは、頭の出来が違うからね」
「お前も成績悪ぃだろうが!」
「桃太郎よりはバカじゃないもーん」
単細胞な桃太郎を軽くかわして、唄子ちゃんに近寄った。
唄子ちゃんに、傷は1つもついてないよね?ちゃんと守れた、よね?
さっすが、私。守備力も攻撃力も半端ないな。
「あの、もしかして……幸珀先輩、ですか?」
「えっ、なんでわかったの!?」
唄子ちゃんに恐る恐るされた質問が的を射ていて、ついオーバーなリアクションを取ってしまった。
簡単にバレちゃった。
今日の変装は、いつもより気合い入れたのに、おかしいな。