BAD & BAD【Ⅱ】
どうして、私達がこんなところにいるのか。
話は、昨日の放課後に遡る――。
9月7日。
残暑が溶け、秋の訪れが香りだした、金曜日。
放課後になって、私は善兄に捕まる前に朔と一緒に下校した。
帰宅して男装してから、たまり場へ行く。
洋館の扉を開けた先のホールには、師匠と弘也と真修がいた。
『王様、僕と真修を呼んだ理由を教えてくれませーん?』
『もしかして、最近多発している異常現象と何か関係が?』
『2人も気づいておったのか。ああ、そうじゃ。異常現象がこれ以上起これば、この世界は壊れてしまう』
『世界が、壊れる!?やべぇじゃん!』
『王様!世界を救う方法はないんですか!?』
『方法はひとつ。2人が勇者となり、異常現象を起こしてる黒幕を探してやっつけるのじゃ!』
……何この茶番。
ダンボールで作られた王冠をかぶっている師匠に、膝まづいている弘也と真修。
3人とも、こんなところで何やってるの。