BAD & BAD【Ⅱ】
いつから、ここは劇場になったの?
舞台でもやる気?
扉のそばで呆然としていた私に、役になりきっていた師匠が気づいた。
『あ、幸珀!』
『一応聞きますが、何をしているんですか?』
『王様と勇者の壮大ファンタジーごっこ』
確かに、世界が壊れるとかなんとか、壮大だったけども。
なんでそんな遊びやり始めたの?しかも、ノリノリで。
『京がやってたゲームが面白そうでさ~』
『発案者はお前か、弘也』
『勇者って響き、かっこよくね?なあ、真修』
『かっこいいですよね!』
それで、実際になってみようと、劇を始めたのか。
私が王様なら、チャラい勇者もドジすぎる勇者も追い返して、誠実そうな勇者を募集するなぁ。
弘也と真修に世界を託したら、さらに危機的状況になるだろうし。