1st love
アキラの右手は今もあたしの腰にまわっていて、左手はあたしの右手と手を繋いでる。
あたしは…
これから何が起こるのか。
アキラが今何を考えているのか。
あたしはどうすればいいのか。
何も分からない。
分からないし、この空間の中では考えられない。
あたしは握ってるアキラの手をギュッとした。
アキラからギュッって返ってきた。
嬉しくてあたしは思わずニコッとした。
アキラの目を見てみた。
すぐ目が合った。
けど、すぐ目線を反らしてしまうあたし。
どちらからともなく、きっと同じ位のゆっくりなスピードで、うちらの顔は近付いて行った。
もどかしい位にゆっくりなスピード。
距離がなくなるまでのこのゆっくりな時間が、とてもいとおしく思えた。