1st love


担任が言った「訪問」だが…

この会社は、受験する人がいる高校・大学全てに人事担当の方が受験が決まると一校ずつまわって来て下さる。

その時学校に来てくださった方が、あたしの試験の面接官だった。
島田さん。
とても人が良さそうで、いつもニコニコしているような穏やかな人だった。

学校にきてくださった時、島田さんは
「優子さんは笑顔がとても素敵ですね」
とおっしゃった。

面接の時、部屋に入り島田さんを見つけた時、あたしは何だかとても嬉しかった。あの時の島田さんの笑顔は忘れもしない。
あたしは島田さんのおかげで受かった。島田さんがいなければあたしみたいな奴受かる訳ない。

あたしは涙目のまま、はるかと教室に戻る。
はるかが
「優子受かったよ!!」
ってみんなに聞こえるように言った。
クラスのみんなが喜んでくれた。中には就職の結果があたしより早く来て、自分は落ちてるのに喜んでくれる子もいた。

あたしは良い友達に恵まれてとても幸せだと実感した。

次の授業は、色々思い出したら涙がとまらず、鼻をすすりながら受けた。

その授業中、アキラにメールを一通送った。まず、誰よりも初めに報告したかったから。

―きっと喜んでくれるよね―




< 93 / 169 >

この作品をシェア

pagetop