1st love


玄関に入った時点で既にうるさい。
それに玄関は靴でいっぱい。かなりの人数が集まってるみたいだ。

2回目のアキラの部屋。
アキラは、お酒を取りに下に降りて行った。あたしはなんとなくソファーには座らず床に座る。

―2人なんて緊張するし、何話したらいいかわかんないや。―
あまりに不安ではるかにメールした。

しばらくしてアキラが缶酎ハイやら缶ビールを持って戻ってきた。
「ごめん、ちょっとつかまっちゃってさぁ。てか何で床に座ってんの?ソファーに座りなよ?」
笑いながらアキラが言う。

あたしは大きなソファー右側にちょこんと座り、アキラはベッドに腰かける。

「家の人たち仲良いんだねぇ」
「うーん、そうかな?俺まで毎回飲まされるし、みんななかなか帰らないし…」
「えー、うちそういうのないから楽しそう!」
うちの親戚は、正月すら集まらない。

アキラはあたしに酎ハイを渡し、自分はビールを開けた。

あたしは乾杯しないうちに酎ハイに口をつけ、
「ちょっと待って!乾杯してないじゃん!試験合格おめでとう!」
ってアキラが言った。

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