Catch me


…そもそも、

何で、うちの家族が
カノジョのことを
知ってやがる。

そんなネタ元…

「カノジョの事…

誰が話した?」

我が社の連中に
絶対零度の視線を注げば。

「「…コイツ。」」

俺の隠しきれない怒りに
全員から指を指される蒼梧の
脳天に無言で全力の平手を
繰り出すも、見事にスカを
食らう。

…チクショウ…
避けやがった。

その蒼梧の言い分とくれば。

「いやぁ。奥様が、弊社の
副社長の見合いを考えてると
おっしゃるんで、これは、
将来を考えている方がいる
って話を、お耳に入れて
おくべきだと
考えたわけですよ。」

…その言い分は、
一理あるとはゆえ、
オマエ、さっき掠ったオレに
“ヘタクソ”って…ボッソボソ
言いやがっただろ!?腹立つ!!

「龍起、近々うちにお連れして。
是非、お目にかかりたいわ。
貴方の心を射止めたお嬢さんに
お会いしたいもの。」

ウフフ♪と笑う母親に
警戒を怠ったオレの不始末
なんだろうか…

この人は…桐生家きっての
破天荒オンナだからな。









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