Catch me
3
くそっ!!!
…逃げられた。
思わず、彼女に向かい
伸ばしかけた手を
俺は堪えた。
「あらまぁ。完全に警戒して
逃げられましたね。」
このマーケティングに同行していた
秘書が苦笑をかみ殺しの給う。
「ギラギラしすぎなんですよ。
…貴方の好み、ど真ん中でしたね。」
「くっ…」
…部下の前で、失態を
冒してしまった…
「分かりますよ。そのくらい。
“カノジョ”は、今回のマーケ対象に
成りえないのだから。そうだとしたら
必然的に分かりますよ。」
俺が仕事をそっちのけで
「貴方、一目ぼれしましたね?
龍起(リュウキ)副社長。」
「………」
オンナに走ってしまった。