あの夏をもう1度
「おいおい、俺を追いかけちゃだめだろ」



圭太があたしの頭をなでる。



「…だって」


「あいつが見てんぞ」



駿太を指さす。



「…うん」


「好きなんだろ?」


「うん」


「1年たってもかわらなかったんだろ?」


「うん」


「じゃあ迷うな」



圭太があたしの背中を押す。



「すげぇ好きだったよ」



圭太が後ろからあたしを抱きしめる。



あたしから駿太が見えるから変な感じ。



「…圭太」


「あいつに見られんのいいな」



なんていいながらあたしを開放する。



「圭太、ありがと」



圭太にそう告げて駿太のもとに走る。



「…駿太」


「ちょっとふたりで話すか」



駿太があの丘を指さす。



「…うん」


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