あの夏をもう1度
『別れよう』


あの日から1年がもう経過するころで。


高校三年生だったあたしは
大学一年になっていた。


同じ大学に行くはずだった駿太は
大学にはいなかった。


すっごいすっごい探したのに。
いなかった。


大学で一緒になれば。
また違うかなって思ったんだ。


駿太とは高校が違ったから。
大学が一緒なのをたのしみにしてたのに。



どこで歯車が狂ってしまったのか。
考えても考えてもわからなかった。



「沙耶?」



ぼーっと考えてると圭太に声をかけられる。


「ん」


「なんか考え事?」


「んー。明日のお祭り楽しみだなって」



あたしは笑ってその場を逃れようとする。


「お祭りのさー、食べ物ってやたらうまいよな」



圭太が笑う。



「あれはマジで美味しい。焼きそばたべたーい」


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