あの夏をもう1度
──カラーン


「いらっしゃいませー」


来店を告げるベルが鳴る。



「あれ、沙耶ちゃん!?」



入ってきた男女のうちのひとりがレジに走ってくる。



「え?」



あたしは走ってきたひとの顔を見る。




「あ…」



そこにいたのは駿太のお姉ちゃんだった。



「ちょっとー!駿太ー!」



お姉ちゃんの言葉に顔を上げる。



「っ」



大きく目を見開いてこっちを見る瞳と目が合った。



「ここ初めてきたから、知らなかったー」



お姉ちゃんがそんなことを言っているのが脳裏で聞こえる。



あたしの世界はとまっているかのように
駿太しか見えない。



「沙耶、知り合い?」



圭太があたしの肩にぽんっと手を置く。


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