零度の華 Ⅰ




「プッ。君面白いね~。自分でそんなこと言うなんて変わっているね~。そこは否定でもすればいいのに~」


鷹見の言葉を聞き、あたしは食堂を出た時のように、すぐに笑顔を消した


『否定したところで何も変わらないだろ』


「そうだね~。でも俺に媚びていたら少しは変わっていたのかもよ~。ほら、俺有名人だし~」


『有名人ね、生憎暴走族には興味はない。それに媚びる程、あたしは落魄(おちぶ)れてない』



あたしは鷹見荒維の横を通り過ぎようとすると、パシッと腕が掴まれた

反射的に鷹見を見る



「ねーねー、着いてきてよ。雨月ーアマツキー羽空ちゃん」


『あたしの名前、知ってたんだ』


「当たり前じゃ~ん。君も有名人なんだから~」



有名人になりたくはなかったが、どこからかありもしない噂が立ったせいで色々と面倒となった

でも、たかが噂の的となった奴だからと言う理由だけであたしの名を覚えるはずもないだろうに

もっと重要なことに頭を使えばいいものを



おそらく、これから連れて行かれる場所は、光華が溜まっている所だ



何故、そこに連れて行かれるのか

それはあたしの"情報"が欲しいのだろう

鷹見はあたしのことについてハッキングをして情報を得ようとした

それはただの興味本心なのか、それとも命令か、あるいは何かを感じ取ったのか、それは分からない

そして、調べて分かったことといえば、誕生日、学校名、住んでる場所、家族構成などと特に何も怪しいことなどない







...........と思うのは、並のハッカー



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