零度の華 Ⅰ
「一瞬だけ平行に車をつける。そこを狙ってタイヤを撃て」
『こんな朝っぱらから事故なんて起こしたら、すぐに警察に通報されるぞ?』
「そこは大丈夫だ。すぐにこの場から去る」
『一瞬でタイヤを狙うなんて、高度な技したことないから失敗しても文句は言うなよ?』
「結果次第だ。銃はいつものところに入ってある。サイレンサーと一緒だ」
あたしは助手席の前にあるダッシュケースをあける
そこに銃はなく、一見普通に物が入っているように見えるが、奥の方に隠し棚がありそこには銃とサイレンサーがあった
銃を手にすると通学カバンからフードつきのパーカーを取り出し羽織る
フードを深く被り、銃弾があるか確認をした