零度の華 Ⅰ
座席に体をあずけ、楽な姿勢で目を閉じると頭を撫でられた
「狼(ロウ)だけだな。主(俺)のわがままを叶えてくれる駒(ペット)は。優秀な部下を持つ俺は幸せ者だな」
『最後の言葉、らしくない。なんか、気色悪い』
「褒めているのに酷い言いようだな。俺はそんなに優しくしないか?」
『別に。雲雀が人をあげることないから』
「まぁ、そんなことはしないなー」
先ほどとは打って変わって車内の空気は穏やかものとなった
まるで、ほんの1,2分前の出来事がなかったことのように......
その後、何もなく無事に学校まで雲雀に送ってもらった
車を校門の前で止めたせいで、注目を浴びる羽目となり、雲雀が運転席から降りてくるから尚更注目の的になってしまった