零度の華 Ⅰ
組織の人間というのは組織の名を背負うこととなり、死をも共にする
『用がそれだけなら切るぞ?学校では何かと動きづらいんでな』
「零(ゼロ)であるお前が今更不安がることか?」
電話の向こうで雲雀が嘲笑う姿が浮かぶ
『あたしはただ楽しく過ごしたいだけ。やりたいようにやれなくなると楽しめなくなる』
「それじゃ、楽しく高校生活を楽しんでくれ」
そこで電話が切れた
声が変わったことから、突然の来客が現れたか何かに捉ったか
あの人が捕まったり死んだりする心配はないだろう
飼い主を選んだのはこのあたしだからな
電話が切れたことでゆっくりする時間ができた