零度の華 Ⅰ


「俺は構わない」


「はっ⁉︎おい、知ってるだろ?こいつの噂は‼︎」


「サメ、黙れ。危害を加えなければ問題ない」


「そうだね。俺も色々とお話ができる機会ができたことに、嬉しく感じるけどな」


「チッ。勝手にしろ」





鮫島はドカッと深くソファーに座り、目を合わせないようにソッポ向く

お菓子を買ってもらえなかった餓鬼のようだ




「ねぇ。そろそろ教えてよ」


愛川は、疑問のある顔をして光華の幹部たちに聞く



「そうだな。雨月羽空ちゃんには、色々な噂があるんだよ」


「噂?」


「例えば~、女の子を泣かせて笑っているとか~、彼女のいる彼氏とるとか~、援交やってるとか~?」



気にしてなかったが、そんな噂を立てられていたのか

とんだ暇人がいるもんだな




「とにかく、こいつは最低な奴だから、雪女ってあだ名が付いたんだよ」




最低な奴なら雪女なんて生温いあだ名にせずとも、悪魔だの死神だのと騒げばいいものも

そう言われた方が、あたしにとっては誉め言葉なのに


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