零度の華 Ⅰ
隣に梟が来る
「お前......」
『それ以上言うな。そんなのじゃない、干渉するな』
梟の言葉を遮った
今更、情なんてものはあたしに不必要だ
目だけ動かし辺りを見渡す
子供が集まりワイワイと賑やかだ
『帰っていいぞ。傍にいる必要はない』
隣でただ無言でいる
あたしにここまでする理由が分からない
「好きでいるだけだ」
『じゃあ、好きにしろ』
それっきり話すことなく、静かに時間が過ぎていった
ポツポツ......ザァーーーー
突然の雨
子供の手を引き帰り去る親
「雨だ!!」と騒ぎながら帰る子供達
声が消え、耳には雨音が響く
『濡れるぞ?』
「お前もだろ」
梟は帰る気はないらしい
『はぁ、あたしは帰る』
「送る」
ずっと待っていたのか
理由を探るつもりはない
それにしても物好きだ