零度の華 Ⅰ
あたしは気にすることなく梟の背中を見て歩いている
バイクに跨り学校まで頼むと一言伝える
しかし、向かっている方向が違う
明らかに逆方向だ
乗っているうちは、何も聞かず考えもせずに到着してから頭を使うことにした
あたしは囁く
『面白い』
着いた場所は梟家
梟の父親は組長
つまり、家は組というわけだ
『いいのか?あたしは情報屋だって話したよな?』
「もう調べ済みだろ」
確かに、家族構成に組員の構成は調べたな
でも、知っているから中に入れるほど危険なものはないことを、コイツは分かっているだろうか
あたしに関しては梟に気づかれず、この状況を楽しんでいる
横開きの戸を開け、中に入る
「お帰りなさい。ワァオ、びしょ濡れじゃない!!お友達?それとも彼女?」
目の前にはフランス人
梟の母親はフランス人で、息子である梟銀夜はハーフとなる