零度の華 Ⅰ
母親はあたしに興味を持っている
「ただの知り合いだ」
そう、梟銀夜が答える
嬉しそうに笑う母親
「そう!!あ、風邪引くね。お風呂入ってきなさい」
流暢な日本語を話すんだな
1人でそんなこと思っていると、組員と1人の少女が顔を見せた
「お帰りなさい、銀夜さん」
「ぎんにぃ、おかえりー!」
駆け寄って少女に微笑み、ただいまと返す
仏頂面のコイツが笑うところを初めて見た
家族限定というわけか
「ほら、楓‐カエデ‐。お姉ちゃんに挨拶しなさい」
「こんにちわ」
梟銀夜に隠れながらの挨拶となった
「ごめんなさいね。人見知りなの」
『いえ、大丈夫です』
「早く暖まらいと風邪引くわね。用意するから、銀夜。案内よろしくね」
梟銀夜の母親は先に廊下を歩いて行き、消えた
「行くぞ」
あたしは、梟銀夜についていく
妹の手を引き歩く後ろ姿は周りから見ると、微笑ましい光景そのもの